ストーカー
「別になにもないから、大丈夫」


そう言って璃桜の手を離す。


その瞬間、璃桜が痛みを耐えるような表情をした。


「なにもないって、そんなワケないだろ? なにかがあったから、学校も休んでたんだろ?」


「なにもないってば!」


ダメだ。


これ以上璃桜と会話をしていたら泣いてしまう。


そう思い、あたしは教室から逃げ出した。


一番近いトイレの個室に入り、大きく深呼吸をする。


体が震えて、まるで自分のものじゃないような感覚だ。


日菜や美咲の態度もよくわかる。


あたしが日菜たちと同じ立場だとしたら、もう友達を辞めているかもしれない。


「あいつのせいで、なにかもメチャクチャ!」
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