ストーカー
日菜はこっそり話しかけてくれたみたいだ。


「でも、ずっと顔色悪いじゃん」


「大丈夫だってば!!」


日菜のことを巻き込むわけにはいかず、あたしはつい怒鳴ってしまっていた。


教室内が一瞬静まり返り、みんなからの視線を感じて俯いた。


無理だよ。


友達と楽しく会話なんて、できるワケがない。


恐怖と緊張で喉はカラカラだし、体の震えも止まらない。


「お願い日菜……あたしは大丈夫だから……」


あたしはかすれた声でそう言ったのだった。

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