ストーカー
後ろに立っていたのは険しい表情をした璃桜だった。


「別に……」


左右に首を振り、椅子を元に戻す。


「別にって……。ごめん、内容読んだ」


その言葉に返事はできなかった。


「なぁ、その西村ってやつ、お前に近づいちゃいけないって忠告受けてるやつだろ? なんでメッセージが来るんだよ。それに犬の死体の写真って……」


璃桜がそこまで言った時、あたしは弾かれたように駆け出していた。


まずい。


見られた。


「遙!?」


璃桜が後ろから追いかけて来ても、あたしは走り続けた。


どうしよう、どうしよう、どうしよう。


璃桜に見られたことがバレたら……。


あたしは殺される?

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