ストーカー
一瞬にして全身が寒くなった。


体が重たくなったと同時に、足が絡まってバランスを崩す。


それをどうにか立て直して、再び駆け出した。


「遙!!」


追い掛けて来た璃桜の声がどこか遠くに感じられた。


心臓が壊れてしまったかのように早鐘を打ち、全身から冷や汗が噴き出した。


「遙、待てよ!」


また聞こえて来た璃桜の声。


走る速度は徐々に遅くなってきて、ついにその場に立ち止まってしまった。


あたしはどこへ逃げればいいんだろう。


どこまで逃げたって、きっとあいつは追いかけて来るのに……。


その瞬間、グニャリと視界が揺れた。


床と天井がわからなくなり、立っていられなくて壁に手を付いた。


あたしはそのまま廊下に横倒しに倒れ、そのまま意識を失ってしまったのだった。
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