ストーカー
笑みをたたえたその表情に、体中が寒くなった。


「なんでそんなことするの!」


「大丈夫。俺だって片腕を失った。だけど、こんなに元気だ」


そう言い、ロボットのような義手を見せつけて来る西村君。


「それに、俺が高校に落ちて○○高校に入学したのは遙ちゃんの責任だろ? 俺が片腕を無くる原因を作った」


「あたしは関係ないじゃん!!」


怖くて、泣き叫んでいた。


「あたしが悪いんじゃない! あたしはあんたのことなんて、知らない!!」


勝手に好きになられて、勝手に逆恨みをされただけ。


どうしてそれが理解できないんだろう。


「俺はこんなに遙ちゃんのことを想ってるのに?」


西村君の声が微かに震えた。


あたしはハッとして目を見開く。

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