ストーカー
西村君の顔は怒りに満ちていたのだ。


「ずっとずっとずっとお前だけを見て来た!! それなのにお前は、俺の事を知らないだと!?」


至近距離で怒鳴りつけられ、身がすくんだ。


「いいか!? お前は俺の人生をめちゃくちゃにしたんだ!! その愛らしい顔で、俺のすべてを台無しにした!!」


そんなの、あたしのせいじゃない。


そう思っても、もう反論できなかった。


恐怖で呼吸がままならず、口で大きく深呼吸を繰り返していた。


目から絶えず涙があふれ出し、頬を濡らし続ける。
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