ストーカー
「お前の顔は人を狂わせる悪魔の顔だ」


西村君が義手であたしの頬を撫で上げる。


あたしだって、好きでこの顔に産れたんじゃない。


こんなことになるなら、こんな顔捨ててしまった方がマシだ。


西村君がノコギリを両手で握りしめ、あたしの太ももに押し当てた。


「嫌ぁ……」


涙に濡れた声で懇願する。


「お願い……切らないで!!」


しかし、その声は西村君には届かない。


「これで死ぬまで、ずっと一緒だな」
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