ストーカー
☆☆☆

警察が押し入って来たのはその直後のことだった。


完全に油断していた西村君はあっけなく取り押さえられ、あたしは無事に保護された。


監禁に使われていた建物が廃ビルの一室だったので、ギリギリになったようだ。


警察官に体を支えられてビルから出ると、璃桜とお父さんの顔が見えた。


「遙!!」


璃桜がすぐに駆け寄って来る。


「遙、平気か!?」


お父さんの言葉にあたしは頷いた。


西村君のノコギリで、少し太ももが傷ついた程度だった。


「お父さん……お母さんは?」


そう聞くと、お父さんは頷き「大丈夫。ちょっと肩を切られただけだった」と、説明してくれた。


「よかった……」


そう呟いた瞬間気が抜けて、あたしはその場に崩れ落ちてしまったのだった。
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