ストーカー
あの事件以来、お母さんはパートの仕事をやめて家にいるようになった。


「それなら平気だ。でも、ちゃんと玄関の鍵はかけるんだぞ?」


「うん」


あたしは璃桜の言葉に何度も頷く。


璃桜の言う通りにしていればきっと大丈夫。


なにもないはずだ。


「おい、璃桜」


家が見え始めたところで後ろから郁が声をかけてきた。


「郁、どうした?」


「今日から大会の練習だろ」


険しい表情でそう言う郁。


「あぁ……俺部活辞めるわ」
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