ストーカー
「は? なに言ってんだよお前」


「郁だって知ってるだろ? 遙をほっとけない」


璃桜の言葉に郁は眉間にシワを寄せた。


あぁ……。


あたしはまた迷惑をかけているのかな。


璃桜は部活に行った方がいい。


そう思うのに、どうしてもその一言が言えなかった。


犯人は捕まってもあたしの中で、事件はまだ続いている。


恐怖が消えたなんて、きっと誰にも言い切れない。


いつなにが起こるかわからないのだから。


「わかったよ」


郁は舌打ちをして、あたしたちに背を向けて歩いて行ってしまったのだった。
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