ストーカー
☆☆☆

「お母さん、ちょっとコンビニまで行ってくるね」


数週間後、あたしはリビングでテレビを見ていたお母さんにそう声をかけた。


「1人で大丈夫? 付いて行こうか?」


「大丈夫だよ。今日は気分もいいし、防犯ブザーも持ってるし」


薬のおかげなのか、前進できているからかわからないけれど、時々心が軽い日がある。


こういう日は以前までと変わらず、恐怖を感じずに出かける事ができた。


「そう。なにかあったらすぐに連絡しなさいよ?」


「わかってる」


あたしはバッグにスマホを入れて家を出た。
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