ストーカー
同時に崩れ落ちるあたしと、逃げていく郁。


背中が生暖かな血液で濡れて行き、防犯ブザーを押そうとした手から力が抜ける。


やがて通行人の誰かが気が付き、声をかけてきた。


その声に返事をすることもできない。


全身が寒くて寒くて仕方がなかった。


遠くで救急車の音が聞こえてくる中、あたしは不意にほほ笑んだ。


あたし、今、なにも、怖く、ないや……。


ようやく手に入れた安堵は、永遠に続く眠りだった。




END

< 244 / 244 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:83

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

悪事通報アプリ

総文字数/42,936

ホラー・オカルト110ページ

表紙を見る
悪魔なあなたと結婚させてください!

総文字数/64,014

恋愛(キケン・ダーク)207ページ

表紙を見る
首切りさまと呪いのハロウィン

総文字数/42,393

ホラー・オカルト118ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop