ストーカー
☆☆☆

璃桜のおかげでイビリのようなものはされずに済んだけれど、さすがに居心地は悪かった。


マネージャーの口から時々聞こえて来る悪口が、全部自分のことのように感じられてしまう。


部活が終るまであとどのくらいだろう。


教室で待ってようかな……。


そう思っていた時だった、休憩に入って璃桜たちがこちらへやってきたのだ。


ユニフォームで汗をぬぐう姿が様になっている。


「遙、あと1時間で終わるから」


水筒のお茶をひと口飲んで、璃桜がそう声をかけてきた。


「うん。あのさ、あたし……」


「いつまでそこで待ってるんだよ」


あたしの言葉を遮るように言ったのは郁だった。


あたしは驚いて郁を見つめる。
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