ストーカー
知り合い
それから30分ほど経過した時、先生がトイレに立った。


教室に2人残されてあたしはなんとなく、男子生徒へと視線を向けた。


彼もこちらを見ていて、また目が合う。


とっさに逸らせようとしたときにほほ笑まれたので、戸惑ってしまった。


「加藤さんだよね?」


更にそう聞かれたので、あたしは「そうだけど……」と、まごつきながら返事をした。


さっき先生があたしの名前を呼んだから、覚えられたのかな?


「覚えてない? ほら、子猫と絆創膏の」


「え?」


首を傾げた時、絆創膏のエピソードを思い出した。

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