ストーカー
子猫の姿が見えたと同時に、男子生徒がその体を抱えあげていた。


突然のことに子猫は暴れ、その時に男子生徒の手がひっかかれてしまったのだ。


「大丈夫?」


「平気平気」


そう言うも、右手からは血が滲んできている。


子猫は男子生徒に抱えあげられて、まだ抵抗していた。


「ほら、大丈夫だから」


男子生徒はそう言い、子猫の頭を優しくなでた。


最初暴れていた子猫も、その心地よさに徐々に落ち着きを取り戻して行った。


子猫がクッキーを食べている間、あたしはその男子生徒に絆創膏をあげたのだ。
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