ストーカー
☆☆☆

それから３０分ほど経過すると、約束通り璃桜が教室まで迎えにきてくれた。


制服に着替え、タオルを肩にかけている。


「遙、おまたせ」


「部活お疲れさま。ごめんね、ここまで来させちゃって」


「別にどってことないよ」


２人で教室を出て歩きながら、あたしは西村君のことを璃桜に伝えた。


「へぇ、受験日にそんな人がいたのか」


璃桜は感心したように言う。


「そうなんだよね。今日西村君に会うまで忘れてたんだけど、すごくいい人だよ」


「で？　遙はそいつのことを好きになっちゃったって話？」


璃桜にそう聞かれて、あたしはブンブンと首を左右に振った。


「違うよ、そういう話じゃない」


慌てて言うと「わかってるって」と、笑われてしまった。


どうやらからかわれたみたいだ。


「でも、メッセージは交換した」
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