ストーカー
☆☆☆

家の近くまで来たとき、あたしはまた立ち止まっていた。


どこからか感じる視線に周囲を見回す。


「どうした遙。またなにか感じるか?」


「うん……視線を感じるんだけど……」


だけど周囲にそれらしい人はいない。


それに、隣にいる璃桜はなにも感じていない様子なのだ。


「あたしの気のせいなのかな?」


「そうとも限らないぞ。今まで視線を感じることなんてなかっただろ?」


そう言いながら璃桜は周囲を警戒してくれている。


「そうなんだよね……」


シャッター音が聞こえて来ることはあっても、視線は感じていなかった。


最近になって感じるようになったのだ。
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