ストーカー
先生がさすがに呆れた表情で言った。


「す、すみません……」


そう言いながら必死に今日の授業のページをめくるけれど「もういい、座りなさい」と、言われてしまった。


あたしはクラスメートたちからの視線を感じながら、席に座る。


璃桜は今どんな顔であたしを見ているだろう。


呆れているかな?


笑っているかな?


怖くて、確認することができなかった。


でも、元々寝不足な上、午後からはお腹がいっぱいになって更に眠たくなるのだ。


こればっかりは仕方ないんじゃない?


と、あたしは自分に言い訳をした。


「代わりに津田。次の問題」


あたしの代わりに日菜が当てられ、日菜も慌てている。


振り向いて視線を合わせると睨まれてしまった。


ごめん日菜。


そう思い、心の中で手を合わせたのだった。
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