ストーカー
☆☆☆

「もう! 遙ったら問題に答えないんだから」


放課後になり、ふくれっ面をした日菜がそう声をかけてきた。


「ごめんって! まさか日菜に被害が及ぶとは思わなかったの!」


「あれはウケたねぇ。2人とも答えらんないんだもん」


そう言って笑う美咲。


結局、日菜も問題に答えることができず、他の生徒が答えることになったのだ。


「笑いごとじゃないよ美咲。あたしはとばっちりなんだから」


日菜は随分とご立腹だ。


「授業内容をちゃんと聞いていれば答えられたよ? 日菜もぼーっとしてたんでしょ?」


「それは……そうだけど……」


美咲のするどい指摘に、日菜は頬を膨らませたままうつむいてしまった。


「スマホでもイジってたの?」


そう聞くと「漫画読んでた」と、日菜。


教科書を縦にして隠して読んでいたみたいだ。


「どっちもどっち」


一番大人な美咲が言う。
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