ストーカー
「遙になにか用事?」


西村君は璃桜に見おろされるような体制になった。


「べ、別になんでもない」


西村君はそう言うと、逃げるようにこの場を後にしたのだった。


あたしはその後ろ姿を見送った。


「今の誰?」


「あ……今のが西村君だよ」


逃げる西村君を見てボーっとしてしまっていた。


「あれが? いい人って本当か?」


歩きながら璃桜が聞いてくる。


「良い人……だと思うんだけど……」


さっきの出来事を思い出すと、なんとも言えなくなってしまった。
< 94 / 244 >

この作品をシェア

pagetop