ストーカー
何も後ろめたい事がないのなら、璃桜を前にして逃げることもなかっただろうし。


つまり西村君には下心があったということだ。


その事実はあたしにとってショックだった。


あの時子猫を助けた西村君のことを、本当に信用しきってしまっていた。


「まさか、あいつが犯人じゃないよな?」


璃桜の言葉に、あたしは反論することができなかった。


「あいつとメッセージしてるんだろ?」


「うん」


あたしは頷いてスマホを璃桜に渡した。


「う~ん……これだけじゃわからないな。最後に誘って来てはいるけれど、それまでは遙を元気づけようとしてるように見えるし」


「そうだよね……」


だから、誘われた時は本当に驚いたんだ。

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