運命ノ黒イ糸
「あたしも、縁結びの神社に言ってみようかなぁ」


鼻をかんで、あたしはそう呟いた。


まさに神頼みでもしたい気分だった。


「それなら、場所を教えてあげるよ!」


元気がなくなっていた佐恵子がパッと顔を上げてそう言った。


「え、場所がわかるの?」


「もちろん。だって都市伝説じゃないもん」


そう言って、スマホを取り出して地図機能を表示させる佐恵子。


「でも、神社にたどり着けるかどうかはわからないんだよね?」


「そうだよ。だって、その神社がある場所ってね……」


スマホを操作していた佐恵子が手を止めて、画面をあたしに見せて来た。


そこには学校から自転車で30分ほどの場所にある大きな山の地図が表示されている。


「この山の山頂にあるからだよ」


「え……?」


神山と呼ばれるその山は地元で最も大きく、スキー場が作られるくらい雪が積もる。


4月下旬の今でも、登っていれば見えるかもしれない。
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