運命ノ黒イ糸
そう言うと二村先輩は困ったように首を傾げた。


「本当に、なにも必要ないよ?」


「先輩がよくても、あたしが嫌なんです。あ、そうだ! 明日一緒に映画でも観に行きませんか?」


「映画?」


「ダメですか? あ、サッカーの練習がありますよね。ごめんなさい」


すぐに謝ると、二村先輩は慌てて「明日は休みだよ」と、言って来た。


「本当ですか?」


パッと笑顔に花を咲かせる。


「あぁ。映画、楽しみにしてるね」


そう言うと二村先輩はあたしの頭をポンポンッと撫でたのだった。
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