運命ノ黒イ糸
☆☆☆

翌日。


とても天気がよくて清々しい朝だった。


二村先輩とは10時に映画館の近くで待ち合わせをしている。


その後2人で映画を観て、お昼ごはんを食べる予定にしていた。


「あら、今日は随分可愛い恰好ね」


うすピンク色のワンピースでリビングに入ると、母親がそう声をかけてきた。


「カオル君とデート?」


「カオルとは別れたよ、ちょっと前に」


そう言うと、母親は驚いた顔をこちらへ向けた。


「そうだったの? じゃあ、今日はどこへ行くの?」


「王子様とデート」


あたしはそう答えて、スキップしながら家を出たのだった。
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