運命ノ黒イ糸
まるであたしが彼氏をとっかえひっかえしているような言い方に、ちょっとだけムッとなった。


「本当に本気だよ。実はこの前二村先輩から告白されたんだよね」


「なにそれ! 聞いてないよ!?」


「佐恵子の驚く反応が見たくて、黙ってたんだもん」


あたしはそう言って笑った。


佐恵子は期待通りの驚きを見せてくれる。


「じゃあ、もう2人は付き合ってるってこと?」


「うん」


あたしは自信満々に頷いた。


昨日だって二村先輩と電話やメッセージをした。


「なんで朱里ばっかり?」


佐恵子は腕組みをして首をかしげている。
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