運命ノ黒イ糸
「可愛くないって言いたいの?」


「そんなわけないじゃん。見た目の話じゃなくて、好きな人がすぐにできるって話だよ」


そう言われて納得した。


「そんなの、なんとなくの雰囲気だよ」


「雰囲気?」


「うん。好きなタイプかも? って思って近づいて、そうなのかそうじゃないのか判断すればいいの」


あたしの考えは佐恵子には伝わらなかったようで、更に首を傾げさせる結果になってしまった。


「付き合ってから好きになってもいいと思うよ?」


「そんなもん?」


「そんなもんだよ」


あたしはそう言い、笑ったのだった。
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