運命ノ黒イ糸
☆☆☆

休憩時間中に窓の外を見てみると、サッカーをしている二村先輩の姿を見つけた。


「あー、やっぱりカッコいいかも」


ここからじゃよく見えないけれど、それでもカッコよさは十分に伝わって来る。


「本当に二村先輩の事が好きなんだね」


隣にいた佐恵子が安心したようにそう言って来た。


「そうだよ。だから付き合ったんだもん」


返事をしても、グラウンドにいる二村先輩から視線を外さなかった。


二村先輩はベンチへ向かって歩いている。


その時、見知らぬ女子生徒がベンチへと駆け寄って行く姿が見えた。


二村先輩になにかを手渡ししている。


「なにか受け取ったね」


その様子を見ていた佐恵子が呟く。
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