運命ノ黒イ糸
☆☆☆

金曜日の学校はどこか浮き足立った雰囲気が漂っている。


明日明後日の2連休をどう過ごそうか、みんなソワソワしているのが伝わって来た。


「明日はデート?」


休憩時間中、佐恵子にそう聞かれてあたしは頷いた。


土日もサッカー部の試合があったりするけれど、二村先輩はあたしを優先させてくれることが多かった。


「いいなぁ。二村先輩ってすごく優しいって評判だよね」


「そうだね。優しいよ」


そう言いながらもため息を吐き出し、頬杖をついた。


「どうしたの? デートなのに暗い顔して」


「二村先輩はね、誰にでも優しいんだよね」


「誰にでもって、他の女の子にもってこと?」


「うん……」
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