運命ノ黒イ糸
そんな、嘘のメッセージを送ると二村先輩はすぐに返事をくれた。


《二村先輩:そっか。大丈夫? お大事に!》


やっぱり、先輩は突然のデートのキャンセルでも怒らない人だ。


あたしが風邪だということを疑いもしない。


これで疑えと言う方が難しいのはわかっている。


でも、もう少し考えて返事をしてほしかった。


あたしはスマホをテーブルへ置いて、再びベッドに寝転んだ。


二村先輩となら大丈夫だと思ったのに……。


あたしは自分の左小指の糸をジッと見つめたのだった。
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