運命ノ黒イ糸
学校の近くということは、やっぱり部活に出ていたのだろう。


《佐恵子:言いにくいんだけど、カオル君と一緒にいたよ》


カオルと!?


あたしは佐恵子からのメッセージに目を奪われて、固まってしまった。


どうして?


カオルと二村先輩は元々知り合いだったの?


それとも……。


一瞬、葉子先輩に言われた事を思い出した。


カオルはまだあたしのことを気にしているって……。


まさか、それでカオルが二村先輩に近づいたとかじゃないよね?


グルグルと、いろんな憶測が頭の中を駆け巡る。


《朱里:カオルは何か言ってた?》


《佐恵子:ううん、なにも》


そっか……。


あたしは落ち着かない気持ちで教科書を閉じたのだった。
< 139 / 245 >

この作品をシェア

pagetop