運命ノ黒イ糸
「まぁ、そういうことにしておこうか。それで? 次は誰だったの?」


「大田君」


ヒョロリと背が高くて頭の良い1年生。


悪くない相手だと思ったけれど、あまりにも会話が続かなかった。


それに、高原よりカッコイイというだけで特別イケメンでもなかった。


「それで話かけてたんだ……」


ようやく謎が解けたようで佐恵子が囁くような声で言う。


「うん。高原に比べれば随分マシでしょ? だからいいかなって思ったけど、やっぱり違った」


「それで、また糸を切ったの?」


「当たり前じゃん」


パンケーキを食べきり、ナプキンで口元をぬぐった。


佐恵子のプリンはまだ全然減っていない。
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