運命ノ黒イ糸
☆☆☆

ふと、肌寒さで目を覚ました。


布団をかけないまま眠ってしまったからだろう。


そう思い、目を閉じたまま寝返りをうって布団に手を伸ばす。


しかし、その手は一向に布団に触れない。


おかしいな、ベッドの上で眠ったはずなんだけど……。


なにかザワザワと風の音が聞こえて来る。


土の香りもする。


まだ夢の中にいるのかな……?


そう思った瞬間、強い風が吹いてあたしは飛び起きていた。


「え……?」


上半身を起こした状態で周囲を見回し、唖然として口を開けた。


自分の部屋で眠っていたハズなのに、ここは自分の部屋じゃなかった。


屋外だ。


周囲は木々に囲まれていて冷たい風が吹いているし、あちこちに雪が残っていた。
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