運命ノ黒イ糸
それは、あたしの赤い糸と全く同じものだった。


嬉しさを感じる半面、佐恵子が嘘をついているのではないかという疑念が浮かんだ。


昨日のあたしの話を聞いて、面白半分でからかっているのかも。


佐恵子のことだからそんなことはしないと思うけれど、ちゃんと確認しておいた方がよさそうだ。


「ちなにみ、神社ってどんな感じだった?」


教室に到着し、鞄を置いてからすぐに会話を再開させた。


「古くて、すごく小さな神社だったよ。鳥居と拝殿しかなかった」


あたしが夢に見た神社と似ている。


「それに、落ちてた小銭がすごく古いものだったの。あれ、本物だったのかな……」


夢の内容思い出すように、空中へと視線を投げかけてそう呟く佐恵子。


「和同開珎?」


「そう! それ!」


あたしの言葉に佐恵子は目を見開いて頷いた。


やっぱりそうなんだ。
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