運命ノ黒イ糸
付き合う
ホームルームが始まる前に佐恵子は席へと戻ってきていた。


その頬はまだ赤く、緊張しているのが伝わって来た。


それは、あたしも同じ状態だった。


未だに心臓がバクバク言ってうるさいままだ。


「どうだった?」


そう聞くと、佐恵子は嬉しそうにほほ笑んだ。


「ちょっと話をしてみたけど、寺島くんいい人そう」


「そっか、よかったね」


『いい人そう』というのは寺島の見たままの感想と全く同じだった。


あたしならつまらないと感じてしまうけれど、佐恵子は十分に幸せそうにしている。


それならそれでいいのかもしれない。


問題は自分の方だった。


あたしの運命の相手は、ついに学校1のイケメンになった。


その事実にゴクリと唾を飲み込む。
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