運命ノ黒イ糸
「ちょっと……なにこれ……?」


あたしはまだ夢を見ているんだろうか?


あたしは寒さに震えながら立ち上がった。


横になっていたのは腐葉土の上だったようで、来たままの制服には土埃が付いていた。


「夢なら早く覚めてよね。寒いんだけど!」


ちょっと大きな声でそう言ってみると、山びこのように声がこだました。


……山びこ?


「ここ、山の中なんてことないよね?」


自分でそう聞いて、「ないない、あり得ない」と、笑う。


しかし、現に周囲は木々に囲まれているし、とても寒い。


このままジッとしているのは危険かもしれない。


そう感じたあたしは一歩を踏み出した。


靴をはいていないため、ソックスで草木を踏みつけることになってしまう。


歩くたびに雪解けの残りが足先を冷やして行き、どんどん目が覚めて行く。
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