運命ノ黒イ糸
そんなものを目の前で見せられたので、あたしの心臓は今にも止まってしまいそうだ。


「本当に? うわ~、すっげぇ嬉しい!」


そう言ってまるで女の子のように可愛く笑う。


あたしはカチカチに固まりながらも、佐恵子へ視線を向けた。


佐恵子も顔を真っ赤にして草山くんを見ている。


草山くんに興味のない子でも、こんな反応になってしまうのだ。


「楽しみにしてるからね」


草山くんはあたしへ向けてそう言うと、ご機嫌な様子で教室を出て行ったのだった。
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