運命ノ黒イ糸
☆☆☆


翌日、あたしは鼻歌を歌いながら学校へ向かっていた。


あたしの赤い糸は真っ直ぐ学校へ向かって伸びているから、草山くんはもう登校しているのだろう。


2人分のお弁当が入った鞄はいつもよりも重たいけれど、これを我慢すれば草山くんと付き合う事ができるのだ。


そう思うと、これくらいの重さどうってことはなかった。


「おはよう朱里」


「おはよう佐恵子」


いつも通り挨拶をしているだけなのに、あたしの心は浮かれていた。


早く昼休憩が来てほしい。

「今日はお弁当を用意してきたの?」


「もちろんだよ」


「すごいね朱里。本当に料理できるんだ」


驚いてそう聞いてくる佐恵子に、あたしは思わず吹き出してしまった。
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