運命ノ黒イ糸
その見た目はやっぱりパッとしない。


あたしなら嫌だなぁ。


「あたしは朱里みたいに面食いじゃないもん」


「あぁ、そっか」


自分が面食いなことなんてすっかり忘れてしまっていた。


でも、付き合うならイケメンの方がいいのは、みんな同じじゃないのかな?


「まぁ、佐恵子がいいならそれでいいけどさ」


そう言うと、佐恵子は嬉しそうに頷く。


「今日は寺島くんと一緒に帰る約束をしてるの」


「そうなんだ。2人で?」


「うん」


そう言ってモジモジと俯く佐恵子。


その様子に直感が働いた。


「もしかして、今日告白するの?」
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