運命ノ黒イ糸
そう聞くと佐恵子はパッと顔を上げて「静かに!」と、指を立てた。


「心配しなくても誰も聞いてないよ。それより、するの?」


もう1度聞くと、佐恵子は顔を真っ赤にして頷いた。


「すごいじゃん! 絶対オッケーだよ」


「そ、そうかなぁ?」


あたしなら相手から告白してくれないと嫌だけれど、こんな短期間で告白を決めた佐恵子はすごい。


「大丈夫大丈夫。そうだ、今度ダブルデートしようね」


「え?」


「佐恵子と寺島、あたしと草山くんの4人で」


「えっと……。いいけど、まだ付き合ってないよね?」


「大丈夫大丈夫」


そう言い、あたしは笑ったのだった。
< 172 / 245 >

この作品をシェア

pagetop