運命ノ黒イ糸
☆☆☆

その予想通り、お弁当を食べ終えた後あたしは草山くんに呼び出されていた。


ひと気のない校舎裏で男子と女子が2人きり。


そんな場所で行われることなんて、1つしかない。


「朱里ちゃん、俺と付き合ってくれない?」


草山くんからの告白にあたしは内心ニヤリと笑った。


やっぱり、きた!


わかっていたことだったけれど、いざ学校1の王子様に告白されるとなると、さすがに緊張した。


「あたしでいいの?」


あたしはあえてそう質問してみた。


すると次の瞬間、あたしは草山くんの腕に包まれていたのだ。


突然のことで頭の中は真っ白になったけれど、徐々に草山くんの温もりを感じられるようになってきた。


「朱里ちゃんがいい。ずっと誰とも付き合って来なかったけれど、どうしても我慢できないんだ」


そう言って、あたしの体をキツク抱きしめてくる草山くん。
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