運命ノ黒イ糸
☆☆☆

クラスメートに秘密だと言っても、佐恵子に隠しているつもりはなかった。


輝明にも了解を取って、あたしは佐恵子にだけ本当のことを伝えていた。


《佐恵子:明日のダブルデートなに着て行く?》


佐恵子からそんなメッセージが届いたのは、デート前日の夜だった。


日曜日の明日、4人で会う事になっている。


あたしにとっても佐恵子にとっても初めてのデートなので、さすがに緊張していた。


《朱里:ワンピースにしようかと思ってるよ》


そう返事をすると、しばらくして1枚の写真が送られて来た。


それは白地にブルーの花がちりばめられたワンピースの写真だった。


佐恵子に似合いそうな、爽やかな柄だ。


《朱里:それすっごく可愛い! 絶対佐恵子に似合う!》


《佐恵子:そうかな……。これを着て行こうかな》


《朱里:あたしは何色にしよう、う~ん、悩む》
< 177 / 245 >

この作品をシェア

pagetop