運命ノ黒イ糸
あたしと輝明の2人で地下へと進んで行くと、カラオケ店の入り口が見えた。


ドアを開けて中へ入ると右手に受付があり、奥へと通路が続いている。


入ってしまえば普通のカラオケ店と変わりないように見えるけれど、高校生だけで来るような場所ではないということが伺えた。


「ねぇ輝明。やっぱり今日は別の場所にしない? あたしと輝明の2人だけならいいけど、佐恵子と寺島もいるんだしさ」


2人の雰囲気とはどう考えても合わなかった。


奥へ進むとそこには広いラウンジがあり、お酒も飲めるようになっている。


やっぱりここは高校生が来る場所じゃないんだ。


「なんだよ、朱里ちゃんまでそんなこと言うのか」


輝明はそう言って大きくため息を吐き出した。


「別に酒くらい飲めばいいのに」


そう言う輝明にあたしは驚いてしまった。


まさか、お酒を飲むつもりだったのだろうか?
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