運命ノ黒イ糸
玉子焼きは焦げてしまったし、タコさんウインナーの足は一本取れてしまった。


それでも、あたしなりに一生懸命に作った。


初めてお弁当を作り上げた時は、達成感まであったほどだ。


それなのに……。


その日の昼休憩、あたしと輝明は2人で中庭に来ていた。


「はい、お弁当」


ドキドキしながら手作りのお弁当差し出す。


「ありがとう」


輝明はそれをいつも通り受け取り、蓋を開けた。


次の瞬間「なにこれ?」と、首を傾げた。


見た目がいつもよりも悪いからだろう。


お弁当初心者のあたしには色合いや配置などわからず、適当に突っ込むことしかできなかったから。


「み、見た目は悪いけど、味はいいから!」


あたしはすぐにそう言った。


味見だけはしっかりとしてきた。
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