運命ノ黒イ糸
あたしは悲鳴をあげてその場によろけた。


「なに……?」


そっと手を伸ばしてみると、鳥居の手前に見えない壁があるのがわかった。


「なにこれ、なんで!?」


これじゃお参りができない!


焦って周囲を確認して回ってみるが、どこからも入ることができない。


「入れて! 神様にお願いしたいことがあるの!」


必死になって叫んでも、自分の声は山びこになって消えて行くだけだった。


どうしよう。


このままじゃ糸は切れないかもしれない。


そう思った時だった。


拝殿からドサッと重たい音がしてあたしは振り向いた。


そこにいたのは……真っ黒な糸で体をガンジガラメにされた、あたし、だった……。
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