運命ノ黒イ糸
付き合っている
「朱里、大丈夫?」


教室へ戻ってグッタリと突っ伏していると、佐恵子が心配そうに声をかけてきた。


「うん……」


「またなにかされた?」


「ううん。今日は平気」


そう答えても、精神的な疲れは取れなかった。


殴られないために気を使っていたから、休めなかった。


「ねぇ、今こんな状態になってるって、糸を切ったからじゃないかな?」


「え?」


「だってこれ、運命の赤い糸だよ? やっぱり、簡単に切っちゃダメだと思う」


佐恵子は自分の小指を撫でてそう言った。


それはとても大切にしているように見えた。


「だって、あたしの相手は高原だったんだよ?」


あたしはそう言ってしかめっ面をした。
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