運命ノ黒イ糸
4組は相変わらず騒がしかった。


しかしいつものイジメっ子4人組の姿はない。


クラスの中心にいるのは高原で、その姿は以前よりも少し痩せたように感じられた。


「高原君楽しそうじゃん」


その様子を見て佐恵子が言った。


「そうだね……」


以前のようにイジメられている様子はなく、みんなを笑わせているのがわかった。


少しはマシになっているようだけど、やっぱりあいつと付き合うなんて無理。


そう思った時だった。


「高原くん」


4組の女子が高原に声をかけ、クッキーを手渡しているのが見えた。


その時、クラス中から口笛などのヤジがとんだ。


でもそれは嫌なヤジではない。


2人を祝福するようなものだったのだ。
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