運命ノ黒イ糸
「そっか、そうかも!」


あたしは佐恵子の考えに目を輝かせた。


佐恵子が一緒にいてくれれば、あたしも頑張って別れを切り出すことができそうだ。


「なんの話?」


その声にドキッとして振り向いたが、そこにいたのは寺島だった。


輝明に聞かれていたのではないかと思ったので、ホッと胸をなで下ろした。


同時に、男子生徒が一緒にいた方が安全かもしれないと、思いついた。


「寺島も、一緒について来てくれない?」


「え? どこへ?」


そう聞かれて、あたしは輝明にやられていることを説明した。


殴られたと言った時、寺島は本当に驚いた顔をこちらへ向けた。


「そんなことになってたのか。全然気が付かなかった」


「輝明とあたしの関係は、一応みんなにも隠してるしね」


「そっか。もちろん、俺も協力するよ」


「ありがとう寺島」


あたしはそう言いながらスマホを取り出した。
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