運命ノ黒イ糸
☆☆☆

ここで輝明に告白された時、本当に嬉しかった。


夢の中にいるような感覚がしていた。


だけど、その夢も長くは続かなかったのだ。


足音が聞こえてきて振り向くと、輝明が姿を見せた。


「あれ? 朱里ちゃんだけじゃないんだ?」


佐恵子と寺島を見て瞬きをしている。


「あたしが、2人について来てもらったの」


そう言い、一歩前へ踏み出した。


心臓はバクバクと跳ねているし、緊張でメマイを起こしてしまいそうだった。


だけどここまで来たのだ。


あたしが逃げるわけにはいかない。


「もしかしてまたダブルデートの話? それなら今度こそカラオケに行こうよ」


自分が振られるなんて、夢にも思っていないのだろう。


輝明は笑顔を浮かべて話をする。
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