運命ノ黒イ糸
輝明はすぐに逃げ出し、その後の行方がわからない。


連絡もつかない状態だ。


「こんなの……違う!!」


あたしはそう叫び、駆け出した。


後ろから佐恵子が呼びかけてきたけれど、立ち止まらなかった。


こんなんじゃない。


こんな運命の相手、望んでなんかない!


見た目が悪いとか、大人しいとか、そんな小さなことどうでもよかったんだ。


そんなことで、運命の相手は左右されない!!


「はぁ……っ!」


病院から駆け出して、近くの公園にやってきていた。


手洗い場の前に立って大きく深呼吸をした。


「こんな運命。変えてやる!!」


あたしはそう決意し、ペンケースからカッターナイフを取り出した。
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