運命ノ黒イ糸
高原とメッセージ交換をした覚えは、もちろんない。


《高原:既読ついたってことは、読んでくれてるんだよね?》


そのメッセージに慌ててメッセージ画面を閉じた。


心臓がドクドクと脈打っているのを感じ、背中に汗が流れて行った。


なんで高原があたしにメッセージを送ってくるの!?


誰かがあたしのIDを高原に教えたとしか考えられなかった。


ポンポンと続けて送られてくるメッセージに焦り、すぐにブロックした。


ひとまず、これで高原からのメッセージは受け取らなくてよくなった。


でも、問題は誰が高原にあたしのIDを教えたのか、だった。


「まさか、佐恵子じゃないよね……?」


すぐに脳裏に浮かんできた佐恵子の顔。


でも、友達の佐恵子がそんなことをするとは思えなかった。


かと言って、他に怪しいと思える人物がいるわけでもない。
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